「英雄たちの選択」蛮社の獄 意義を唱える人に対する気持ちのありかたを知る

「英雄たちの選択」は、NHKBSで磯田道史先生がホストを務める歴史のターニングポイントについて、いろんな専門分野の人が集まってあーでもない、こーでもないと和やかに討論する番組です。

で、今回ご紹介するテーマは、「知りすぎた男たちの挑戦 蛮社の獄 渡辺崋山と高野長明の決断」
実は私、よく知りません。
教科書載ってるんで名前は知ってますが、特に思い入れもなく
たぶん一問一答とかで無理やり名前覚えた程度です。
たった一つある印象は、高野長明めっちゃやせてんなってことです。
どちらかっていうと吉田松陰の方がなじみがあるなと

けどね、今回の放送を見て、すごい重要人物なんだなと知りました。
どういうことかというと(詳しく知りたい人はwikipedia読んで下さい)
1837年、浦賀にイギリス船が来たんで、幕府は、異国船打払令に基づき砲撃。
けど、この船、実は日本人の漂流民を届けに来ただけの親切な船だったとわかり、幕府 蒼白。
知識人で特に蘭学してる人たちは、世界情勢をより的確に把握してるんで
ことの重大さをより深く認識。
で、ちらっとこれからも同様に対処するよっていうのが
蘭学に詳しい渡辺崋山と高野長明の耳にも入って
いてもたってもいられず「慎機論」と「戊戌夢物語」を書いてしまう。
いろいろあって獄に入れられたという話です。

幕末といえば、その後の薩長とかの方に目が行きがちですが
これって幕府が終わる引き金になった事件だそうです。
というのも、この件で蘭学者が幕府に寄り付かなくなって
他の大名に身を寄せるようになってしまった。
蘭学者っていうのは、医学だけでなく当時の最先端の世界情勢や軍事関連の情報も持ってるわけです。
幕府がちょっと気に入らないのを取り締まったせいで
自分の首も絞めてしまったという皮肉な結果になちゃったんですね。

で、今回も磯田先生は含蓄のある言葉を最後に残してくれました。
「"磯田さん、歴史の中で一番悪い人間って誰ですか?具体的に言ってください"
って言われた時に、一瞬にして答えたの思い出しました。
"それは、高野長明と渡辺崋山を死に追いやった人だと思います。"って
やっぱりねぇ、批判者と思っちゃうんですね。
あのこれ危なさを知らせる
この二人はものすごい高感度のセンサーなんですよ。
批判者と思うなセンサーと思え。
これはね、あらゆる人間に当てはまると思う。
火災報知器みたいなもんだと思って
腹を立てず違う意見があればあるほど
安全になるんだということを社会の中で共有されなければいけない。
特に上にとって都合の悪い警告は大事にしなければならないし
非常に重要だと。
こういうことを知ってしまった人
知識人と言われる人ですよ。
やっぱり心がけてほしいですね。
みんながこっち行って行き過ぎだから違うぞ違うぞという」
(先生のお言葉ここまで、以下感想)

耳に痛いことを言われると、やだなぁめんどくさいなぁと思ちゃいます。
逆に、批判ウェルカムデス~みたいなハート強い人の方が少ないのではと思います。
けどね、なんかワーワー怒ってる人を批判と思わずに
危険を知らせるセンサーだと思えば、確かに腹立たないかもしれない。

ハンター×ハンターでゴンが
「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」
って言ってました。

HUNTER×HUNTER モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

いい言葉だなぁと思いつつもちょっと自分の中で消化しきれなかったんです。
けど、怒っている人に対して
批判と思わずにセンサーが警報音鳴らしてると考えれば
ハートを縮こまらせることなく状況を客観視でき
その人はどんな警報器をもっているのかという
本質が見えるのかもしれないなぁと思いました。
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